the beaten track とは、踏み固められた道。つまりは何時も使っている道。それに off をつける事によって、何時もと違う道を往こう、何時もと違う事をやろう! という願いを秘め日々頑張ってる訳です。
Posted by 甲子 - 2013.11.14 Thu 16:32:56
以前 kingle で「限界集落(ギリギリ)温泉第一巻」を読んでから、限界集落というワードに目が行く。大学時代にそういった単語を目にする事もあったのだが、それほど惹かれる事はなかった。
限界集落とは簡単に言ってしまえば、ド田舎。過疎化が進み高齢化も進み、共同体の維持が限界の状態。
つまりは近い将来そこに住む人間はいなくなるような所。
そんな限界集落とも言える農業で生計をたてている止村に、独立を決め東京の仕事を辞め、以前祖父が住んでいた家に優がやってくる。当初はリフレッシュを目的としていたが、地域住民との触れ合いから地域活性化を考え始める。
村のリーダー格であり真面目に農業に従事する正登、その正登をしりに敷くかのように強気な娘美穂。
ぶつかり合いながらもこの三人が協力し合い皆を引っ張っていく再生の物語。
あらすじはまあそんな感じ。
いやー堪能した。
そこそこ問題も起こってそれを解決するために頑張ってるのだが、それほどダイナミックな印象はない。書き方がわりと簡素な感じはする。
限界集落や農業に関する事等はそれほど深く掘り下げてないのだが、小説という媒体を考えたらこれ位が妥当なのかも知れない。もっと掘り下げて深く読みたいとも正直なところは思うのだが、テンポが悪くなって読み辛くなるのだろう。
しかし、説明不足というか描写不足な感はある。簡素って言葉がやはりしっくりくる。しかして、そのお陰か作品全体に暗さがなく、軽やかに読める。
こういったサクセスストーリーはやはり良い。形は違うが、シンパシーもあったのでとても楽しく読めた。とても美味でございました。
あと、解説が上手い。書店員が書いた解説らしいが、この作品が好きなんだなぁ~という感じがする。
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